【ドラムセッティングの基本】セッティングでプレイが変わる。

 こんにちは、サブローです。
 今回はドラムセットのセッティングについて説明します。ドラムセットの各パーツの名称と役割については『ドラムセット 各パーツの名称と役割』をご覧ください。今回の内容に関しては中、上級者の方にも常に意識していただきたいと思います。

サブロー2019

なぜセッティングが
大事なのか?

なぜセッティングが大事なのか?

 レッスンをしている時、一通りレッスンフレーズをレクチャーし、しばらく叩いて貰った後に「先生、どうやってもこのフレーズが叩けません」とか「左足がとても痛いです。。」と言われることがあります。

 習いに来ている人はドラム初心者の方がほとんどなので、すぐに叩けなかったり、身体に変な力が入り部分的に痛みが生じたりする事はドラムを初めた頃にはよくあることです。

 ですが、実はセッティングを見直すだけで劇的に叩きやすくなったり、今まで悩んでいた身体的な違和感も嘘のように消える事があるのです。

「僕にはドラムのセンスが無いんだ。。」
「私にはドラムに必要な筋力が足りないのね。。」

と考える前に、中上級者の方も騙されたと思って、この機会にぜひ一度ドラムセットのセッティングを見直してみてください。

正しいセッティングとは?

 プロドラマーの中でもセッティングは様々です。ジャンルや、自分が目指すプレイスタイルによっても変わってくるでしょう。なので「正しいセッティングとはなんなのか?」の問いに対しては、

“人によって適したセッティングは変わる”

というのが答えです。
「初心者の私にそんな事を言われてもどんなセッティングにしたら良いのかわからないよ!!」そんな声が今たしかに聞こえて来ました。

 様々なセッティングがあるとしても標準的なセッティングというのがあります。これを基準に必要であれば高さや位置を調整して、自分だけのセッティングを見つけてください。

まずは標準的なセッティング

1. ドラムスローン
(いす)

1. ドラムスローン(いす)

 一番大きなバスドラムを基準に考えていきます。
 まずはドラムスローン(いす)をバスドラムの前に置きます。次にバスドラムの中心よりも少し左にずらして置きます。そうする事により右足をキックペダルの上に置いた時に体がバスドラ側に向くのでドラムセット全体が叩きやすくなります。

良い例

悪い例

 スローンの端、または右脚をバスドラムの中心線に合わせると体がバスドラムの方を向くのでドラムセット全体が叩きやすくなります。

 また、右足も自然な向きでキックペダルを踏めるので、フットワークもやりやすくなります。

 スローンをバスドラムの中心線に近づけてしまうと体が左の方を向いてしまい、中心線より右側が叩きにくくなります。特にフロアタムが身体の右側に来るの、大きく体をひねる必要が出てくる為タム回しの時に無駄な動きが増えてしまいます。

 右足も不自然な形でキックペダルの鳴らすことになるので注意が必要です。

良い例

 スローンの端、または右脚をバスドラムの中心線に合わせると体がバスドラムの方を向くのでドラムセット全体が叩きやすくなります。

 また、右足も自然な向きでキックペダルを踏めるので、フットワークもやりやすくなります。

悪い例

 スローンをバスドラムの中心線に近づけてしまうと体が左の方を向いてしまい、中心線より右側が叩きにくくなります。特にフロアタムが身体の右側に来るの、大きく体をひねる必要が出てくる為タム回しの時に無駄な動きが増えてしまいます。

 右足も不自然な形でキックペダルの鳴らすことになるので注意が必要です。

座面の高さ

 スローンに座ってキックペダルに右足を置いた状態の時に、横から見て膝の開き具合が90度になるのが標準的な高さです。

 僕の場合はここから高さを少し上げて100度〜110度辺りでいつも叩いています。低くしすぎたり、バスドラとの距離が近過ぎて90度以下になってしまうと足のコントロールが難しくなってしまうので、
必ず90度以上になるように高さを調整してください。

2. スネアドラム

セッティング位置

 次はスネアドラムのセッティングです。
 スローンのセッティングが完了したら、スローンに座った状態で身体の中心にスネアが来るようにセッティングします。ハイタムにもなるべく近づけてください。

高さ & 角度

高さ

 手前に傾けた低い方が太ももから拳一つ分上に来るように。もしくはおへそより少し下くらいを基準にしてもOKです!叩きずらいようであれば好みの高さに調整してみてください。

角度

 水平より少しだけ手前に傾けてください。

3. ハイハット

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セッティング位置

hihat_setting

 ハイハットスタンドはスネアドラムのできるだけ近くに置きますが、左足をペダルに乗せた時にスネアドラムに触れないように注意してください。

 身体との距離は、キックペダルと同じか、キックペダルより数センチ程度体に近づけてください。
 ツインペダルやツーベースの場合、左足側にペダルが追加されるため、ハイハットペダルの位置が若干左に移動します。

hihat_setting

 ハイハットスタンドはスネアドラムのできるだけ近くに置きますが、左足をペダルに乗せた時にスネアドラムに触れないように注意してください。

 身体との距離は、キックペダルと同じか、キックペダルより数センチ程度体に近づけてください。
 ツインペダルやツーベースの場合、左足側にペダルが追加されるため、ハイハットペダルの位置が若干左に移動します。

高さ & 開く幅

高さ

 ジャンルや叩きたいフレーズによって好ましい高さが変わりますが、迷った時にはスネアから拳二つ分ほどの高さを目安にすると良いでしょう。

開く幅

 2枚の開き具合はスティック1本が挟まるくらいを目安に。
左足で閉じた状態で叩く「クローズ」と、少しだけ開いて叩く「オープン」という2種類の奏法があります。スティック1本分の幅を全開にして叩くことはほぼありませんが、ハイハットが開くスピードや踏み心地を考えて”スティック1本分の幅”を基準にしてみてください。

4. ハイタム & ロータム

4. ハイタム

& ロータム

 初心者の人がかなり苦戦するタムのセッティングですが、今回はバスドラムにタムホルダーが刺さっているタイプのセッティングについて解説します。

 2タムセッティング(ハイタムもロータムも使う)の場合はロータムから調整するのが基本です。その後、ロータムを基準にハイタムの高さや角度を合わせます。調整の際には・バスドラムの大きさ・タムの深さ・演奏する人の身長なども関係してくるので少し複雑です。

 また、メーカーによってはタムの角度を変えるときにチューニングキーが必要な場合があるので気をつけて!チューニングキーを持っていない場合には、スタジオのスタッフさんに聞いてみると借りれることがあります。

角度

 ポイントは、『ハイタムの手前の一番低いところ』と『スネアドラムの後ろの一番高いところ』の高さの差をなるべく小さく抑えることです。メーカーによってはタムの角度を調整するためにチューニングキーが必要な場合がありますのでご注意ください。チューニングキーをお持ちでない場合は、スタジオのスタッフさんに借りれる場合もあります。

セットのサイズが大きい場合

セットのサイズが
大きい場合

高さ & 角度

 「バスドラが大きい」、「タムの胴が深い」、「身長が低い(女性やお子様など)」のどれか、または複数当てはまる場合には高めにしてからタムを自分側に傾けます。

 「高くしたら届かないんじゃないの?」と思うかもしれませんが、低くしてしまうと手前に傾かないんです。
 そうすると打面が上を向いた状態になってしまいますので打面にスティックが当たらず淵に当たって「カチッ」という音になってしまいます。

 手前に傾けてもバスドラとの間に余裕がある場合はもちろん下げても問題ありませんがくれぐれもバスドラとはくっつけないように注意してください。叩いた振動で擦れてバスドラに傷がついてしまうだけではなく、タムの鳴り自体も悪くなってしまうので注意しましょう。

セットのサイズが小さい場合

セットのサイズが
小さい場合

 「バスドラが小さい」、「タムの胴が浅い」、「身長が高い」のどれか、または複数当てはまる場合の調整方法です。

高さ & 角度

 叩いたときにリム(フチの金属部分)にカチッと当たらない程度に角度を浅め(スネアよりは手前に傾ける)にし、叩きやすい位置まで下げます。

5. フロアタム

セッティング位置

【身体からの距離】

 位置はロータムになるべく近づけて体からは少し離します。
 スネアと同じ様に体に近づけてセッティングする人がかなり多いですが、フロアの場合近過ぎると右の脇や肘を折りたたまないと叩けなくなってしまうので体からはなしてセッティングしましょう。

 ただし「ライドシンバルが遠くて叩きにくい」、「フロアシンバルよりもライドのカップの方が優先順位が高い」、「そこまで早いタム回しは叩かない」などの場合には気持ち身体に近づけても問題はありません。

高さ & 角度

高さ

 ハイタムやロータムとは異なり、床に付いている3本の棒(レッグ)の長さを変えて角度や高さを調整します。
 棒の位置は基本的には自分側に1本、反対側に2本ある状態にします。足の下の方が折れ曲がっていると思いますが、3本とも外側に広がるようにしましょう。

角度

 打面の角度は水平でも問題ないですが叩きにくい場合には自分側の足を気持ち下げて少しだけ傾けます。高さはスネアとほぼ同じかほんの少し低く。

6. ライドシンバル

セッティング位置 & 高さ & 角度

セッティング位置 &
高さ & 角度

セッティング位置

 フロアを叩いた時に邪魔にならない位置にセッティングします。遠過ぎるとカップ(中央の盛り上がった部分)を叩きにくくなるので、ライドの縁(ふち)が少しだけフロアタムに重なるくらいが丁度いいです。

高さ & 角度

 スティックの先端(チップ)でカップとエッジ(縁)の間あたりを叩きやすい角度と高さを意識します。フロアタムより10センチほど高い位置に水平より気持ち手前に傾けるくらいがちょうど良いです。ライドシンバルの縁をクラッシュシンバルの様に演奏する事がある場合にはさらに少し高めにセッティングするといいでしょう。

7. クラッシュシンバル

セッティング位置 & 高さ & 角度

セッティング位置 &
高さ & 角度

セッティング位置

 ライドシンバルとは異なり、エッジ(端の部分)を叩くのでライドより高い位置にセッティングします。角度は高さによって調整しましょう。高めの場合は手前に傾けて、低めの場合は水平に近づけます。

 ライドシンバルと同様に叩いたときの揺れでタムなどの他のパーツにぶつからないようにセッティングしましょう。

高さ & 角度

 角度は高さによって調整しましょう。高めの場合は手前に傾けて、低めの場合は水平に近づけます。ライドシンバルと同様に叩いたときの揺れでタムなどの他のパーツにぶつからないようにセッティングしましょう。基本的にはタム類より20〜30センチほど高い位置にセッティングするとエッジ部分が叩きやすいです。低すぎるとエッジではなく面で当ててしまい、あまり好ましくない音になってしまうので注意しましょう。

まとめ

 基本のセッティングを覚えたあとは叩きやすさや見た目の好みなどで自由にアレンジしてみてください。あまり神経質にならずに、気になったら見直す程度に気楽に考えましょう。
 好きなドラマーのセッティングを真似するのでも、もちろん良いと思います。

 お気に入りのセッティングを見つけてドラマーライフを思いっきり楽しみましょう!

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